映画「ラストマイル」ネタバレ考察・ロッカーの文字の意味は?

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映画「ラストマイル」ネタバレ考察・ロッカーの文字の意味は?

公開から17日間で興行収入30億円を突破し、
週末動員数も3週連続No.1を獲得している映画「ラストマイル」

ただ、観た人からは「あれはどういう意味?」という疑問も聞かれます。
そこで「ロッカーに書かれた文字」のネタバレ考察をしたいと思います!

このブログでわかること

・映画「ラストマイル」に出てくる「ロッカーに書かれた文字」の考察

この記事には映画の内容に触れていますので、まだ映画を観ていない方でネタバレをしたくない方はご注意ください。

目次

ロッカーに書かれていた文字とは

デイリーファスト社の社員ロッカーの1つに、

「2.7m/s→0」
「70kg」

とマジックで書いてありました。
特に「0」の文字はぐるぐると、何重かの線で。
その「0」に込めた思いの強さを感じます。

このメッセージは、5年前にデイリーファスト(通称:デリファス)社のセンター長だった山崎佑(中村倫也)が書いたものでした。
山崎は5年前のブラックフライデーの前日、センター内のベルトコンベアの上に飛び降り、意識不明の重体になっています。

連続爆破事件の犯人は、この山崎の婚約者である筧まりか(仁村紗和)でしたが、
最初の爆破事件で死亡した被害者と思われていた人物が、まりか本人だったのです。

ロッカーに書かれていた文字の意味

「2.7m/s」というのはベルトコンベアの速度で、
「70kg」というのはベルトコンベアの耐荷重のことであり、日本人男性の平均的な体重です。
これは映画の中でも語られていました。

では、「→0」は?

これがみなさん、いろいろと考察されている部分です。

まず1つめの意味としては、
「ベルトコンベアの速度を0にしたかった」=「ベルトコンベアを止めたかった」だと思います。

山崎は過重労働で心身が限界に来ており、
「ブラックフライデーが怖い」という言葉も残しています。

よく、ブラック企業に勤めている人が、
会社を辞めればいいのにそういう判断が出来なくなってしまって、

「隕石でも落ちて、地球が滅亡しないかな。そうしたら会社に行かなくて済むのに」

そんな風に思うことがあると言われています。

山崎も、
自分が会社を休んだり、辞めたりすることが出来ずに、

「70kgのモノをベルトコンベアに載せれば、止まるよな・・・」

そう思って、
自分自身を落としてしまった、飛び降りてしまったのだと思います。

そしてもう1つは、
劇中、何度も稼働率を示す円グラフが表示されていました。

その稼働率を守るために、
アメリカ本社は無茶を言い、映画序盤のエレナも爆弾騒ぎよりも物流を止めないことの方を優先させます。

山崎は、この「稼働率」にも苦しまされていたのではないでしょうか。
このグラフも「0」にしてしまいたい、そう思ったのではないか、と思います。

ただ、山崎が飛び降りても、ベルトコンベアは止まりませんでした
だからこそ「バカなことをしてしまった」と言ったのではないでしょうか?

同じように追い詰められた経験を持つエレナは
このロッカーの文字の意味に気づいた時に、山崎とは違う方法を選びました。

外へ出て、
人と会話し、
「ラストマイル」を担う人たちの協力を得て、

「0」にしました。

まりかが

「罪を犯したのは自分か、世界か。自分ならば自分が罪を贖(あがな)うけど、世界ならば、世界が罪を贖ってくれるのか。」

みたいなことをエレナに言うシーンがありました。

このシーンが私はすごく印象的でした。
償う(つぐなう)ではなく、贖う(あがなう)、という言葉を使っていたこと。
ほぼ同じ意味ですが、微妙にニュアンスが違うようで、

贖うには罪を補うためにその責任を全うする行為、宗教的には犠牲や捧げ物、という意味があるようで、
償う、の方は謝罪や補償、の意味あいがあります。

最初の爆発で自分の命を犠牲にして罪を贖ったまりか
山崎を自殺に追い詰めたのは、自分なのか、デリファス社なのか、
答えが出ないまま、その両方に対して復讐と贖罪を果たしたようにも見え、
やったことは許されることではないものの、とてもせつなくなってしまいます。

エレナがロッカーの文字を見て「答えはここにあったのに」と言ったのは、
山崎が飛び降りたのはまりかのせいではなかった、ということなのかな?と思いました。

直接的にはデリファス社ですが、
デリファス社のシステムはなんのためにあるのか、というと、

私たち、一人一人の「want(欲しい)」という気持ちを満足させるため。
そう思うと、悪意のない一人一人が作り出す「世界」が、
大きな悲劇を作ってしまっているのではないでしょうか。

エレナの行動により、宅配ドライバーの待遇はほんの少し改善しましたが、
それも焼け石に水です。

そういう意味では、
事件は解決しましたが、けっしてハッピーエンドではないのかもしれません。

新しくセンター長になった孔が、受け継がれたメッセージをどう受け止め、
改善していくのか、それとも飲み込まれてしまい自分も「全部リセットして0にしたい」と思ってしまうのか、
それはまったく分かりません。

それでも受け継がれてきた記号の意味を知った孔の選択肢は山崎やエレナとは違ったものになるでしょうし、
エレナも新しい人生を歩んで、自分らしく生きて行かれるのではないか、

そんな希望も持てるラストだった、とは思います。

考察のお供にいかがですか?

まとめ

「2.7m/s」というのはベルトコンベアの速度で、「70kg」というのはベルトコンベアの耐荷重のことであり、日本人男性の平均的な体重。

「→0」は、山崎は自分がベルトコンベアの上に落ちて、
ベルトコンベアを止めたかった、稼働率を「0」にしたかった。

私はこのように考察しました。

それにしても、ベルトコンベアって、頑丈だな、と思いませんでした?
あの高さから飛び降りたら、70kgどころの加重ではないと思うのですが、
ちょっと止まった後に何事もなかったかのように動き出しましたよね・・・。

ラストマイルは、本当におもしろい映画でした。
サスペンスとしても、ヒューマンドラマとしても、とても見応えがあったので、
何度も観ると、また違った気づきがあるのではないかな、と思います。

「アンナチュラル」や「MIU」を見ていなくても全然問題なかったな、と思いましたが、
やっぱり前提知識があるととても楽しめますし、
スクリーンに向かって「久しぶり~!!」という楽しい気持ちにもなれました。

そして何より見終わった後は、
宅配の荷物はきちんと受けとろう。
時間指定したら絶対に守ろう。

そう思いました。

映画ではありますが、描かれている問題は、日本で現実に起こっていることです。
そういう意味では、現実のあちこちの配送センターに「爆弾はある」のではないでしょうか。

答えの出ないやりきれなさの余韻が、
アンナチュラルの世界観に似ているな、と思いました。

改めて、「アンナチュラル」や「MIU404」も観たくなってしまいました!

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